ゆずママがみかんくんを育てながらプログラミングをする話

ゆずママとみかんくん

編集部オノデラです。
今回取材に伺った方はとってもシャイなので、仮名でお送りしています。

今回は、島田市内でみかんくん(8ヶ月)を育てているゆずママのお話を聞きに来ました。
ゆずママの本業はプログラマーです。
旦那さんと同じ会社で勤めていますが、今は育休をとって毎日みかんくんと向き合う日々を過ごしているそうです。

ゆずママは育児のかたわら、プログラミングの技術を使って色々なソフトを作っています。
仕事のプログラミングとは違う、自発的につくる作品です。
今日は、育児をしながらプログラミングをするママの話を聞きたいと思います。

みかんくんの気をそらす

▼みかんくん

あぶぁ〜。
(編集部オノデラの体によじ登る)

▼編集部オノデラ

あぶぁ〜。
えーと。
こんにちは。(笑)

▼ゆずママ

ご、ごめんなさい。
みかんくん、こっちであそぼっか。
(みかんくんを離しておもちゃを渡す)

えと、こんにちは。

▼編集部オノデラ

あ。
そのおもちゃを持てばしばらくあそんでいてくれるのですか。
母子の二人の時間にお邪魔して、すみません。

▼ゆずママ

いえいえ。
あ…。

▼みかんくん

あぶぁ〜。
(早くも飽きて再び編集部オノデラの体によじ登る)

▼ゆずママ

あー、もう。
それじゃ、このマヨネーズのピコピコで。
(編集部オノデラにマヨネーズのおもちゃを渡す)

▼編集部オノデラ

あー。
なるほど。
それじゃともかく、これでしばらく遊びましょう。
ピコピコピコピコ!!
(みかんくんとゆずママと3人でしばらく全力で遊ぶ)

▼編集部オノデラ

ふー。
しばらくはピコピコであそんでいてくれるでしょうか…。
ええと、それじゃゆずママにいくつか質問させてください。

子育てをしながらプログラミングでものづくりをしていると聞きましたが、これは、なかなか大変そうですねえ。

▼ゆずママ

そうですね。
お昼寝したスキなどにプログラミングの作業をやっていますが、タイピングの音で起きたりするのでなかなか大変です。
あ…。

▼みかんくん

あばぁ〜。

▼編集部オノデラ

やっぱりおもちゃだけでは長時間はあそんでくれませんねえ。
あきらめて、あそびながらインタビューをやりましょう。

▼ゆずママ

そうですね。
ふふふ…。

“ちょっと”困っている人を助けたい

▼編集部オノデラ

どんなものを作っているのか、教えてもらえますか?

▼ゆずママ

そうですね。
例えばこういうものがあります。
『ポケモンGO 相性チェッカー』と呼んでいるソフトです。

ポケモンGO 相性チェッカー

▼編集部オノデラ

お。
ポケモンGOですか?

▼ゆずママ

はい。
母がスマホの『ポケモンGO』で遊ぶようになって、攻略法が分からないというので攻略サイトを教えたのですが見方が分からないということだったんです。
それで、母にとって見やすいように検索できるようにしたのがこのソフトです。

▼編集部オノデラ

なるほど。
お母さんは、使ってくれていますか?

▼ゆずママ

はい。
スマホでこのソフトとポケモンGOを開きながら街の中でポケモンを探しているようです。

▼編集部オノデラ

すごい。
行動的なお母様ですねえ。

▼ゆずママ

う〜ん。
そうなの…でしょうか。(笑)

▼編集部オノデラ

他にもありますか?

▼ゆずママ

こういうのもあります。
『とりホーム』と呼んでいます。

▼編集部オノデラ

これは、売り上げや仕入れの情報を管理するソフトでしょうか。
飲食店向けのようですね。

▼ゆずママ

そうです。
これは、知り合いの焼き鳥屋さんのために作りました。

その焼き鳥屋さんは、売り上げなどの管理をしたいのだけれど高度な会計ソフトは使いこなせないしあまり高度な機能は必要でもないということでした。
それで、その人専用に必要な計算だけをやるソフトを作りました。
専用なので、例えばこの「出店場所」という項目などはその人に関係する選択肢だけが出るようになっています。

▼編集部オノデラ

なるほど。
そういえば『ポケモンGO 相性チェッカー』の方は、お母さん専用という感じでしたね。
特定の人専用にその人にとって必要な機能だけのソフトをつくるというのは、面白いですね。

▼ゆずママ

そうなんです。
専用というか、誰かから「ちょっと困っている」というような話を聞いた時にそれがプログラミングで解決できるようなことだったりすると「作りたい」と思ったりするんです。

▼編集部オノデラ

仕事と別に自発的に作っているということを聞いてきたので、ゆずママ自身の「作りたい」という想いで作っているのかと思っていたのですが、それだけでもなさそうですね。
課題解決とでも言うか。そんな感じがします。

▼ゆずママ

自分が作りたいという気持ちももちろんあるのですが、たぶん私は「困っている人を助けたい」というようなことを思っている気がします。
なので、どういうことに困っているかそれなりに聞きながらつくっています。

技術的にはものすごく高度なことをやっているわけではなかったりするのですが、「ちょっと困っている」程度のことであればシンプルなプログラミングで解決できる場合もあるんです。

調べれば作れる…と、思う

▼編集部オノデラ

ゆずママは本業もプログラマーですよね。
お仕事でやるプログラミングはどんなものですか?

▼ゆずママ

今は大手企業に出向していて、その会社が業務で使うシステムをつくる仕事をしています。
すごく大きなシステムなのでプログラマーもたくさんいて、私自身が担当するのはその中の一部分という感じです。
今は育休中ですが、育休が明けたらまたその仕事に戻ることになるのかもしれません。

▼編集部オノデラ

お仕事の詳しいことは分からないですが、その話を聞く限りでは、個人で作品を作るときのプログラミングとはけっこう違う感じがしますね。

▼ゆずママ

仕事環境とか自分自身の気持ちの面で言うと、それはもう、全然違いますね。
仕事の方はすごく大きなものを作っているので私自身は全容が見渡せないで一部分を作っているようなところがありますが、勝手に作っているものは一人で全部やっています。
使っているプログラミングの種類や技術も、全然違うものが多いです。

▼編集部オノデラ

技術も違うのですか。
お仕事で身につけた技術を使って自主的なプログラミングをやっているのかと思っていました。
別の技術を新しく身につけるのは大変ではないですか?

▼ゆずママ

共通することも少しはありますが、仕事と自主制作とでは作り方も目的も違うので、適した技術を考えると別の技術を使うことになる場合が多いです。
私は高校生の頃からプログラミングをやっていましたが、自主的に作っているプログラミングはその延長で勉強した部分も多いです。

▼編集部オノデラ

プログラミングで何かをつくると聞くとすごく高度なことをやっているのかなという風にも思えるのですが、ゆずママ自身からするとそういうことでもないのでしょうか?

▼ゆずママ

高度かどうかは分からないですが、なんていうか「勉強すればできること」をやっているような気はします。
特に、仕事ではなくて自主的に作っているものはそうですね。
そういうところが、高校生の頃の感じと似ているかもしれません。

身近な人のためのプログラミング

▼ゆずママ

こういうのもあります。
『みんなんど』という名前をつけたソフトです。

▼ゆずママ

これは妹のために作ったものです。

妹はプログラマーではなくて一般的な仕事で会社に勤めているのですが、新型コロナの問題が大きくなってきたときに会社の人たちの体温の情報をまとめて管理するという仕事をすることになったそうなんです。
毎日会社の人たちから自分で測った体温がメールなどで送られてくるそうなのですが、妹はそれを一つ一つエクセルの表に転記していてすごく大変そうでした。
それで、まとめて管理できるソフトを作ってあげることにしました。

コロナの問題は、本当に色々なところに影響しているなあと思いました。

▼編集部オノデラ

これもおもしいろいですね。
『みんなんど』というのは、「みんな何度?」ということでしょうか。(笑)

コロナが大変なのはもちろんですが、ゆずママのお話を聞いているとすごく身近な人たちのためにプログラミングしているところが面白いなと思いました。
『ポケモンGO 相性チェッカー』はお母さんのためだし、『とりホーム』は知り合いの焼き鳥屋さん、『みんなんど』は妹さんのためですよね。
プログラマーの方が「誰かの課題を解決しよう」というようなことを考えると「多くの人」向けにどうやったら役に立てるかということを考える気がしますが、本当に身近な特定の個人のためのプログラミングという感じですよね。

個々の悩みは個人的なものなのだけど、どれもその先にはもっと広い問題に繋がっているようなところも興味が湧きます。
「会社の人たちの体温を手早く集計したい」という悩みを持っている人は、きっと世の中で妹さんだけということはなさそうですしね。

▼ゆずママ

ああ。
そうですね。
身近な人。
そうかもしれません。

▼みかんくん

あぶ!
あぶぁ〜!!

▼編集部オノデラ

おっと。
ピコピコマヨネーズだけではもうみかんくんを誤魔化しきれないみたいです。
これは、「ママを返せ!!」という感じでしょうか。

▼ゆずママ

そうかもしれません。

▼編集部オノデラ

本当はこの「身近な人のためのプログラミング」という話からみかんくんのことをお聞きしたかったのですが…今日はこの辺が限界かもしれませんねえ。
子育てママのプログラミングやものづくりの話はすごく興味があるので、またいずれ聞きにきても良いですか?

▼ゆずママ

また来てください。

▼編集部オノデラ

では今日はこれで失礼します。
みかんくん、またね。

▼みかんくん

あばば!
(「またね!」だと思います。 ※編集部オノデラ注)