走ってはいけないはずの私が出会ったゴッドハンドたちのこと

 私は、股関節に問題を持って生まれて来ました。

 「先天性股関節脱臼」という病名の下、生まれた時から様々な生活の制限が有りました。生まれた当時(50余年前)の医学ではまずはマッサージの施術を受け、改善されなければ手術、という流れでしたので生後7か月で両足の付け根にメスを入れました。今でも、大きく醜い手術痕が残っています。
 手術後もギプスを付けたままおむつ交換をして貰うような生活だったせいか、そのころの写真は殆ど残されていないのです。一連の記憶は私には有りませんがまともに歩けるようになったのは4歳頃だそうで、母は私が幼稚園の入園式会場で歩いて入場した姿を見て涙が出た、というエピソードを何度となく私に話したものです。

 幼稚園、小学校、中学、高校と、いわゆる華やかな行事への参加は全て許可が下りませんでした。

「走ってはいけません、永く歩いてはいけません、跳んだり跳ねたりしてはいけません」

 この言葉を聞きながら、運動とは無縁の人生を送ってきました。

 24歳で結婚し27歳で再び両股関節の手術後、帝王切開での出産や子育てをしてきました。再び痛みが出てきたら年齢も考慮しながら「人工関節」を入れましょうと常々言われながらも何とか生活していましたが、47歳の夏に他の病気で入院しベッド上での生活を強いられたことが筋力の低下に拍車を掛けました。
 退院後の歩きにくさといったら酷い物でした。元々運動習慣も無く、何もトレーニング等してこなかった身体に加齢と筋力低下が大きく影響したのです。

 その頃、肩を傷めて息子たちが部活の怪我などでお世話になっていた志水接骨院に自分も通院していました。

 志水接骨院は昭和8年開院、現在の院長先生は三代目です。

 「そうだ。志水先生に静岡県内で股関節の手術に長けている大きな病院を紹介してもらおう」と思い、これまでの経緯を説明して触診してもらいました。治療ベッドに寝て両ひざを抱える姿勢を取った私の膝の高さの左右差は5センチはあったのです。ところが先生から返ってきた言葉は意外なものでした。

「運動しましょう」

 これまで「運動は禁止」との指示で身体を動かさずに生きてきた私の関節周りの筋肉は固まった上、加齢により筋肉が落ちてしまったことで痛みや歩きにくさが出ているとのことでした。施術で下半身の筋肉を緩めながら適切な運動で筋力を付けて問題がある股関節を支えるのだという、これまでとは真逆の発想。狐につままれたような感覚で半信半疑ながら教えてもらった体操やストレッチを毎日コツコツ実行し、3年が経過しました。

 今では跛行(びっこを引いて歩く)は残っているものの断然に動きやすく、なんと小型犬(チワワ)を迎え、毎日散歩にいける身体になっています。

 「施術の他に自分でもストレッチや運動を行えば、筋力の回復改善向上に年齢は不問」とのこと。

 施術と運動の継続でディズニーランドにもいけるようになるし、1〜2年後の身体を想像して頑張りましょう、手術は最終手段ですよ、と言われています。

志水接骨院のゴッドハンドたち

 志水接骨院には院長先生を含め3人の柔道整復師の先生(お一人の女性の先生は只今育休中)の他に素晴らしいスタッフの方々がいます。患者さん達の顔と名前は勿論、各々の治療部位や必要な電気治療の事など頭に入っておられます。患者さんは就園前の子供から、学生、大人、高齢者、と幅広く、先生もスタッフさんも、とにかくネガティブな声掛けは一切ありませんし何よりも院内はアットホームな雰囲気で居心地が良いものです。痛みの場所を伝えると触診し、原因や治療法をその場で導き出す先生たちの手は正に「神の手」。私にはそんなふうに感じます。「お待たせしました。」と言いながら自分の治療の順番になると気持ちが温かく、前向きになり治療ベッドからおろした足は軽やかです。

 殆どの痛みの原因は筋肉の硬さが原因であることが多いそうで、先生達の手技や電気治療をベースとしてその人に合った運動の指導を受けます。「痛い→動かない→筋肉が硬くなる→動きが悪くなる」この悪循環が痛みの原因の殆どであるのだそうです。

 バランスマットという敢えて不安定なマットの上でレベルに合わせた体操やストレッチポールを用いた体操は子供は勿論、大人、お年寄りでも負担が少なく、誰もが取り組むことが出来る運動ばかりです。

 また、現在の地球環境では酸素不足から自律神経や浅い呼吸状態により不眠、ストレスを招いているとの考え方から「酸素ルーム」を数年前に導入しています。ストレッチや運動と同じくらい重要なのが呼吸だそうで、私も今では腹式呼吸を取り入れた体操の指導も受けています。腹筋を強くする為でもある腹式呼吸はなんと太りにくい身体にもしてくれました。変形している股関節は治らないので腹筋、背筋、大腿部の筋肉を鍛え股関節をフォローするという、これまでの私には全く無かった新しい発想です。セミナーなどで学び、身に付けた指導法や運動を自ら試している先生達の身体はムキムキでかっこいい!更に、栄養素に関する知識も豊富で、現代の子供達には栄養の偏りや運動不足が顕著であることを強く感じているとの事から、身長アップや怪我をしない身体作りにむけた取り組みや助言活動をするなど先生方の知識の引き出しは豊富だと感じます。

オーダーメイドした私のインソール

 また、柔道整復師特有の評価方法で、希望によりオーダーメイドの「インソール」(靴の中敷き)も作ってもらえます。歩行は足裏のバランスや運動のパフォーマンスに大きく影響するもので、膝や腰に問題が有ると歩行バランスがすこぶる悪くなり痛みや姿勢の悪さに繋がるのだそうです。足裏の弱点をカバーするパッドを貼り付けた物がインソール。人間の頭は体重の1割の重さが有り、それを支える首や腰が悪ければ何とか弱点をカバーしようとしてどこかに問題が生じるという原理がある事も知りました。インソールは使い始めたばかりの頃には違和感がありましたが、そもそも身体の弱点を矯正した歩きが出来るようになっていくので、今では先生達が作ってくれたインソール無しではすこぶる歩きにくいものです。

「あなた、最初のころに比べて歩き方が全然違うわねぇ」

 ある日、待合室で順番を待つ私にこう声を掛けてくれた年配の患者さんが居ました。
 嬉しかったなあ。

 「運動してはいけません。ゆくゆくは人工関節です。今に歩けなくなりますよ」

 そんな風に言われながら色々な事を諦め、自分の中に封じ込めてきたように思います。当時の医学が間違っていたとは思いません。これまでの手術を受けていなければとっくに歩けなくなっていたかもしれない。

 けれど今では全く逆の発想の下で生活の質が格段に上がった毎日を送っています。

<院長先生のお話>

 古代ギリシャの医者ヒポクラティスの言葉にこういうものがあります。

~ 自分の身体には100人の名医がいる ~

 怪我や病気などで身体的弱点を抱えていても自分自身の中に改善に向かう力がある事に皆さんは気づいていない。私たち施術者は患者さん自身がそのことに気が付いて自分なりに頑張ってみようという気持ちが生まれるきっかけ作りのお手伝いをしているのです。患者さん自身の頑張りと施術との共同作業によって、身体の状態は改善に向かうと思っています。決して驕ることなく治療を通して前向きな気持ちを引き出し、痛みや苦痛が少しでも減るようになれば良いと、スタッフ全員が同じ方向を向いて仕事をしています。

 仕事や運動、私のように先天性の問題や慢性的な痛みや動きにくさを感じている方は、生活の質を格段に上げるきっかけをくれた「ゴッドハンズ=神の手たち」の志水接骨院に相談してみませんか?