「島田のモヤモヤをあつめたい。」
そんな想いで始まった島田ジブンゴト新聞。
編集長のオノデラです。
今日は、島田に暮らす中学3年生のソウタさんのモヤモヤを聞きに来ました。
今日はソウタさんと、お母さんのえみさんも一緒です。
えみさんは島田でNPOを主催していて、年に一回、島田を通っている大井川鐵道という鉄道路線の沿線で「UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川」という芸術祭を開催しています。
「芸術とかやっているお母さんがいる中学生なら、きっとモヤモヤしているに違いない。」という僕の勝手な推測を元に、ソウタさんの話を聞かせてもらうことになりました。
勉強ができない、かもしれない
▼編集部オノデラ
こんにちは。
インタビューを受けてくれてありがとうございます。
今日は主にソウタさんの話を聞きたくて来ました。
えみさんは、なんというか監督という感じですね。
よろしくお願いします。
▼ソウタさん&えみさん
よろしくお願いします。
▼編集部オノデラ
最初に、島田ジブンゴト新聞のやっていることをソウタさんにわかってもらいたいので少し説明しますね。
僕たちは「島田のモヤモヤをあつめる」という活動をしています。
なぜそんなことをやっているかというと、人間の「モヤモヤ」には、「未来の可能性」が眠っていると思っているからです。
僕もソウタさんと同じく島田に住んでいるので、島田の未来の可能性を見つけたいなと思って島田のモヤモヤをあつめることにしました。
それで、モヤモヤをあつめると言ってもどうやったらあつめられるのか僕たち自身もよくわからないので、とにかく人と会ってお話するということをやっています。
とにかくソウタさんのお話を聞いて、その中でソウタさんがモヤモヤしているのどうかを見つけたいなというのが今日の目標です。
そういうわけで早速質問したいのですが、ソウタさんは日頃「モヤモヤ」していますか?
▼えみさん
うちのソウタはモヤモヤしていると思うので、私も聞きたいです。
ソウタ。ど、どうなの?
▼ソウタさん
ええと。
モヤモヤは、していると思います。
いちばんモヤモヤするのは、勉強ができないことです。
やらなきゃとは思うんだけど、どうしてもなまけちゃって…。
▼えみさん
ねー。
▼ソウタさん
家にいるとごろごろしてしまって、YouTubeを見たりしちゃいます。
▼編集部オノデラ
うーん。
中学3年生って、やっぱりそういうことがあるのですねえ。
YouTubeは、どんな動画を見るんですか?
▼ソウタさん
サバゲー(サバイバルゲーム)の動画をよく見ます。
最近は、オキサバというユーチューバーが好きです。
一貫性があります
▼編集部オノデラ
あれ。
サバゲーが好きなんですね。
ちょっと、意外です。
お母さんの芸術祭とかをずっと見てきているから、そういうアートとかが好きなのかと思っていました。
▼ソウタさん
アートも、好きです。
無人駅の芸術祭も好きだし、それ以外にも小さい頃からお母さんに連れられて色々な芸術祭に行きました。
そこでたくさんの人に会って可愛がってもらったし、アートも好きになりました。
アートって、なんかこう「非日常」みたいなことなのかなあと思います。
▼編集部オノデラ
やっぱり、アートも好きなんですね。
将来の夢はあるんですか?
▼ソウタさん
自衛官になりたいです!(即答)
▼編集部オノデラ
へえ。
夢は、アートとかではないんですね。
自衛官というのは、さっきのサバゲーの話となんとなくつながりますね。一貫性があるというか。
▼ソウタさん
はい。
自衛官も「非日常」の仕事かなと思います。
小さい頃に東日本大震災のニュースを見て、自衛隊の人たちが活動しているのを見て僕もやりたいと思いました。
▼編集部オノデラ
なるほど。
そういえば、さっき写真を撮らせてもらった時も、好きなポーズをしてくださいと言ったら「敬礼」のポーズをしましたよね。(※記事冒頭の写真)
あれはきっと、自衛官のポーズということなんですよね。
さっきも言いましたが、なんというか、一貫性がありますよね。
「モヤモヤ」とは反対の感じの一貫性というか…。
▼えみさん
あ、あれ。
ソウタ。もっとモヤモヤしてることあるでしょ。
▼ソウタさん
うーん…。
▼編集部オノデラ
あ、いや。
別に無理やりモヤモヤしなくてもいいのですが…。
あ!
そういえば、最初に「勉強ができない」ことにモヤモヤしていると言っていましたよね。
勉強できないことが、どうしてモヤモヤになるのか聞かせてください。
▼ソウタさん
はい。
自衛官になるために将来は防衛大に入りたいのですが、そのためには今のままだと成績が足りないんです。
▼編集部オノデラ
なるほど。
防衛大ですか。
やっぱり一貫性がありますねえ…。
あれ。
よく知らないのですが、自衛官になるには必ず防衛大に入る必要があるんですか?
幹部になるためには必要とかいう話は聞いたことがある気がします。
▼えみさん
防衛大は、私が言ったんです。
自衛官になりたいというので、もし戦争になっても幹部なら直接戦わなくていいのかなと思って。
と、いうか、芸術祭とかをやっている家の子なのにどうして自衛官になりたくなったのかも私わからなくて…。
▼ソウタさん
本当は、幹部になるのも別に防衛大は必須じゃないんだよ。
▼えみさん&編集部オノデラ
え。
そうなの?
▼ソウタさん
そう。
モヤついているのは、誰?
▼編集部オノデラ
えーと。
ソウタさん。
▼ソウタさん
はい。
▼編集部オノデラ
さっき、「モヤモヤはしている」と言っていたけど、ほんとにモヤモヤしていますか?
▼ソウタさん
うーん。
どうでしょう。
いやなことはすぐ忘れちゃうので…。
▼編集部オノデラ
えーと。
えみさん。
▼えみさん
はい。
▼編集部オノデラ
ちょっと気が付いてきてしまったのですが、もしかするとソウタさんはそれほどモヤモヤしているというわけではないのでは?
▼えみさん
…。
▼編集部オノデラ
どちらかと言うと、もしかすると…。
ソウタさんのことでモヤモヤしているのは、えみさんの方なのかもしれないという気がしてきました。
▼えみさん
なんか、私もそんな気がしてきました…。
▼編集部オノデラ
それで。
いま気が付いたのですが、僕も、ソウタさんのことでモヤモヤしてきているかもしれません。
今日ここに来るまでは「芸術祭とかをやっているお母さんの息子さんだから、アートとかのことでモヤモヤしているだろう」というような推測をしていた気がするのですが、なんか、ソウタさんにとってはそれらはもしかすると全然重要じゃないのかもというような…。
なんか、勝手な推測をしていたことを反省したくなってきた気がします…。
▼えみさん
さっきも言いましたけど、私がアートとか芸術祭とかをやっているのにどうしてソウタが自衛官に憧れているのかわからないんです。
オノデラさんがモヤモヤのことを聞いてくれるというので、それをやってもらうとソウタも今までと違うことを言うかなあと思って。
でも、なんて言うか…。
▼編集部オノデラ
なんて言うか、ソウタさんの確固たる意思というか、一貫性がよりはっきりしてきてしまいましたね。
そしてそれは多分、悪いことではないですよね。
▼えみさん
ですよね…。。
▼編集部オノデラ
僕も、中学生だったら思春期だしなにかモヤモヤしているだろうというような安易な思い込みがあったかもしれません。
反省しなきゃ…。
モヤっているのは、中学生ではない
▼ソウタさん
あの。
▼編集部オノデラ
はい。
なんでしょう。
▼ソウタさん
なんか、オノデラさんもモヤモヤしたりするんですね。
▼編集部オノデラ
そうですね。
そうみたいですね。
▼ソウタさん
大人の人も、モヤモヤしたりするんですね。
▼編集部オノデラ
そうですね。
そうみたいですね…。
▼ソウタさん
お母さんがいつも色々考えてモヤモヤしちゃうのは知っていたけど、他の大人の人もモヤモヤするんだなあって思いました。
おもしろいです。
▼編集部オノデラ
そうですね。
そうみたいですねえ…。
どうもありがとうございます。
…で、いいのかな。
▼ソウタさん
いいと思います!
▼編集部オノデラ
えみさん。
今日の僕は、もしかすると中学生のモヤモヤを聞いてニマニマしようというような下心を持っていたかもしれません。
それを、ソウタさんに気持ちよくあばいてもらった気がします。
このモヤモヤはソウタさんの問題ではなく、えみさんや僕の問題なのかもしれませんね。
▼えみさん
そうですね。
私も、そんな気がします。
モヤモヤと向き合う必要があるのは、ソウタではなくて私なのかもしれません。
▼編集部オノデラ
そうですね。
すぐに解決することではないので、協力して考えましょう。
▼えみさん
そうですね。
▼ソウタさん
今日は、おもしろかったです!
ありがとうございました!!
▼えみさん&編集部オノデラ
ありがとうございました。
▼編集部オノデラ
(なんか、誰が聞き役か分からなくなっちゃったな(笑))
<ジブンゴトプレイヤー> ソウタさん&えみさん UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川
<文責> 編集部(小野寺) 島田の小さな制作会社カギカッコ